【カジノ解禁法案】

《山積する課題》


 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案を超党派国会議員による国際観光産業振興議員連盟が議員立法で国会提出され、日本のカジノ合法化も本格的に動き始めたという感がある。 

 しかし、IR法案によるカジノ誘致は問題だらけであり、多くの懸念事項を残した状態で強硬に法案を通そうとしている。 

 まず、多くの日本人が誤解していると思われるが、今回のIR法案というのは、法制化される通常のものとは違うプログラム法で、カジノを合法化するための具体的な規定や法制度については後から定めるとしている。

 要するに、まずはカジノ解禁の目標や、その実現までの工程を規定する法律でカジノ合法化の既成事実を先に作ってしまい、後から細かい法整備を行うということ。

 何故こんなことをするのかというと、その理由は多々あるが、簡単に云えば「利権をまとめやすくすることができる」ということだ。

 従って、法案成立しただけでは実現しない。

 最近は、このプログラム法という仕組みが乱用されていて、特に社会保障制度改革に関する法案で確信犯的に用いられている。  

 さて、最終的にIR法案によるカジノ法が成立すれば、既に全国で20か所以上の自治体や団体がカジノ誘致に手を挙げているので、自治体によるカジノ施設誘致合戦が一気に加熱するだろうという見方もあるようだが、その見方は甘い。

 カジノ解禁推進法案の立案に関与する有識者が、カジノ営業の開始に至るまでの各自治体におけるスケジュールの概要を報告している。

 ここでいう有識者は、内閣総理大臣を本部長とする特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案について調査し 意見を述べる機関として、カジノに関わる学識経験者20人で「IR推進会議」という組織が設けられている。彼らは、カジノ法制化に伴い不当な利権によって歪められる恐れがある人物が入り込んでいたり、カジノ制度を利権関係者だけで私物化する恐れはないか。などの監視役も兼ねているが、大阪府で起きたIRの入札漏洩事件など、彼らが利権関係者となって、私利私欲に奔走している懸念もある。 

 それを暗示させるようなIR推進会議メンバーの報告がある。

 まず、第一として「国が定める区域認定の選定基準に依拠し自治体がカジノを含む複合観光施設の構想及び計画を立案し、国に対して申請・提案をなし認定を受ける」などと語るが、現実的には「国が定める区域」にはならない。

 カジノ法案の為に集められた有識者達は、カジノ議連の話を鵜呑みにしているに過ぎないので、彼らの話は全くあてになりないものばかりが目立つ。

 次に、「自治体が国からの認定を受け具体化のための方針を定め開発を担う民間事業者を選定し開発と施行にかかわる条件を当該事業者と詰め、開発協定を締結する」

 正しくは「外資系大手カジノ事業者が選定した地域で、国は自治体と開発と施行にかかわる条件を当該事業者と詰め、開発協定を締結する」である。

 そして、国と自治体は外資系大手カジノ事業者にカジノ運営の認可を与えることで、巨額の資金を調達し、外資系大手カジノ事業者によるIRが整備されるのを待つ。

 という流れだ。

 こうした現実を理解しない一部の評論家や法律家は、住民の理解を得るために必要な市場性調査、社会経済影響度評価などをあげて、自治体

による企画・構想や全体計画策定、可能性調査などに必要な諸費用にかかる原資は住民が負担する税金だ。などと間違った情報を流したり、法律専門家の中には「自治体が負担すべき費用を、カジノ施設の運営などを狙う民間事業者に肩代わりさせることは許されない。」などと愚かな発言をするものまで出てきている。

 そもそも、今の日本に国際観光産業振興議員連盟が理想とする特定複合観光施設区域の整備などを行う体力は国にも自治体にもありはしない。リゾート法の失敗から国際観光産業振興議員連盟は、日本国民から得た税収を特定複合観光施設区域の整備に1円も使用しない。と、繰り返し説明している。

 なぜなら、カジノ誘致をすすめる議員の最大の目的は利権以外のなにものでもないからである。 

 地方自治体やある企業の中には、IR法案が国会に提出される以前から数千万円単位の費用を支出している。

 企業は良いが、自治体などが万が一国からの認定を受けられなかった場合、それまでにかけた莫大な費用のほぼすべてが無駄になる。ここでかけた費用は税金だということを皆さん忘れてはいけない。

 住民には重大なリスクがあるのだ。 

 このようなリスクを防ぐ為に、国際ゲーミング協会は、透明性の高いカジノ合法化を求めている。

 事実、日本のカジノ合法化というのは、巨大な利権を新たに創出するものであり、それは日本国民に重大な影響を与えることは間違いない。

 民間企業に運営権を100%託すということは、カジノ設置区域に関わるあらゆる機関や選定基準の策定や評価を行う機関などから利害関係者を徹底的に排除することなど絶対に不可能であり、特定の利益を不当に得るものたちを裁くこともできないのだ。

 唯一、客観的、中立的な運営を図ることができるとすれば、

諸外国でも成功例が多いNPOによるゲーミング合法化である。